婚活で「相手の条件=年収」で見てしまう危険性
結婚相談所には、お相手にさまざまなご希望を持った方が訪れます。婚活されている女性が確実にお相手に求める「条件」といえば「男性の収入」です。
- 「自分よりも年収の高い男性がいいです」
- 「専業主婦になりたいので、相手の年収は600万以上ないと困ります」
- 「できれば年収1000万以上の方と出会いたいです」
世帯収入が高い方が、もちろん生活は安定します。ですが実際に、お相手の年収はどのくらいあることが理想的なのでしょうか?一般的に、家庭を築いていくにはどれだけのお金がかかるのでしょうか?
ご主人の年収が高いのならば、奥様は専業主婦となって趣味や自分磨きに時間をかけることもできますし、子どもたちの教育にお金をかけることもできるでしょう。
結婚を考える時、現実的にどのような点を考えてお相手の年収を見ていくべきなのか?
様々なデータを見ていきましょう。
目次
女性が男性に求める年収は?
結婚して仕事を辞める女性の割合が減り、ご自分もキャリアを持つ女性が増えてくるに従って、「自分の年収以上」の収入を持つ男性に期待をかける女性は確実に多くなってきています。
男女ともに収入は、地域によってかなりの差があります。まず地域別にどのくらいの収入差があるのかを見てみましょう。
「ホワイトキー調べ」
都道府県別にグラフを見ると、やはり人口の多い都会エリアを中心に、収入は高くなっています。都心部ほど生活に割高なお金が必要なので、どうしても相応の年収が必要になります。地方に移るに従って収入が低くなっていくのは、「その金額で生活ができるから」ともいえます。
都心部で必要な年収の男性と出会えないなら地方に行くのも選択肢の一つと言えます。地方に移ることで家賃、食費などの生活費を抑えることは可能ですので、都心部で出会ってから二人で移住する方法もありかもしれません。
ただし、地方は車が必要だったり、地域特有の近所付き合いがあったりと、全てにおいて安く生活できるとも限りません。中でも教育費(特に大学費用)は同じです。この点もふまえ、地域別年収を冷静に捉えていきましょう。
次に、「年代別平均収入(男性)」のデータです。
「ホワイトキー調べ」
男性でいちばん平均年収が高いボリュームゾーンは50代男性で670万円ほど。入社以降じわじわと上昇していき、50代以降は下降線を辿る。結婚適齢期の男性に限定すると、その平均年収は約400万円というところでしょうか。
婚活で女性が男性に求める収入の平均額は640万円といわれています。
内閣府の「少子化社会対策に関する意識調査」によると、20代の未婚男性で年収600万円を超えている人は約2%。30代でも約8%。年齢が上がるにつれて「平均年収」は高くなる傾向ですが、若手世代にとってはこの600万という壁は高いのです。
このため、どうしても婚活現場での出会いを前提にするなら、男性の年収は「平均以下」が現実的な基準になります。400万円ならむしろ高い部類、300万円以下の男性も多いです。
もちろん、中には20代でも年収600万円を超える男性もいます。しかし、非常に数の少ないそのような男性は、ライバルが非常に多いものです。年収にこだわると対象の男性がぐっと減ってしまうことで、そのほかの条件に妥協をしなければならない可能性も出てきます。
また、年収が高い人はそれなりの「対価」が発生しています。
残業手当や役員手当を含んでいるからこそ高いお給料をもらっています。基本給がもともと高いというわけではなく、勤務時間の多さ、ノルマの厳しさ、責任ある仕事をしているからこその対価とも言えるでしょう。
残業代や出張費など、年収の内訳なども大切です。同じ年収500万円の男性でも、その中身は様々です。今後の上下もあれば転職や独立願望の有無も違います。業界の動向や変化もあるでしょう。
このため、目先の金額だけで選別するのは危険かもしれません。
また、「年収」はあくまで年収であって、所得ではありません。たとえば、年収1000万円であっても個人事業主の場合、税金や経費を差し引けば、所得は思っているほど『多くない』場合もあります。
続いて、「職業・資格別年収ランキング」を見ていきましょう。
「ホワイトキー調べ」
こちらのデータは前述のものとは異なり、年齢や経験を加味していない「平均値」ですので、注意が必要です。
産業構造の変化によって大規模なリストラが行われる時代ですので、額面だけではなく、勤め先が成長産業か、継続していかれる業種なのかどうかもチェックしたほうが良いでしょう。
スポーツ選手はもちろん、どんな職種でも怪我や病気は起こり得ますし、この職業なら安心ということはあり得ませんが、ひとつの参考としていただけたらと思います。
自分と見合う年収の男性と出会うには?
就活における市場価値の把握と同じく、婚活でも自分の市場価値の把握が大切と言えます。
ご自身の市場価値を考える時は「客観性」が大切です。友人などの意見もさることながら、実際に婚活をしながらさまざまな方とお会いしたり、統計を調べたりして、データを取りながら考えていきましょう。
恋愛は女性優位なものですが、婚活では男性優位が基本です。適齢期の婚活市場では圧倒的に女性の割合が多く、ライバルも多いです。「選ばれる視点」を忘れないようにしましょう。
女性が男性の年収を気にするように、男性は女性の年齢を気にします。どんなに自分に必要な最低年収を見極めて婚活しても、その水準の男性と結婚できるかどうかは別問題です。
そして大切なのは「年収いくらの男性を選ぶか」ではなく、「どのくらいなら自分で穴埋めできるか」です。自分で稼ぐか、または男性を育てるか、あるいは節約努力か、方法の方向性は様々あります。
例えば、仮に自分が望む生活レベルが600万円で、自分の年収が600万円なら、貯金を無視すれば相手は無職でも大丈夫と言えます。また、自分が望む生活レベルが600万円で、相手の年収が400万円なら、望みを200万円分下げるか自分で200万円稼げば穴埋め完成です。
恋愛や人間関係の基本にも通じますが、自分に合う相手を探してばかりではなく「相手に合わせる努力」が重要です。
絶対に自分は専業主婦になりたい!と高年収の男性を探すことももちろんひとつの考え方ですが、お相手に何か起きた時に、支えてあげたいという気持ちを持つことが、お相手のことを安心させてあげられる重要なポイントなのではないかと思います。
結婚相手に最も必要な条件=年収ではない理由
婚姻関係は「お金さえあれば何とかなる」ものではありません。実際に高年収男性と離婚する女性も沢山います。
- 転勤が多くて子育てに困る
- 残業ばかりで家族と過ごす時間がない
- 仕事が忙しいという理由で、家のことや子育て、双方の両親のことをすべて押し付けられてしまう
- 誰のおかげで食べられてるんだ、ずっと家にいるから暇なはずだ、などという暴言に反論できない
家族の形は日々、変化していきます。夫婦が、家族が問題に直面した時、お金が解決してくれることもたくさんありますが、お金だけでは解決できないこともあります。
一番大切な信頼関係を結ぶことができないお相手との結婚生活は、お互いにとって良い方向へは進みません。
平均データという現実をきちんと把握することは、婚活において大変重要です。しかし、他人同士であったお二人がともに生活し、家庭を築いていく“結婚”という永い日々において、データの値はさほど関係ありません。
ぜひご自身の冷静な目で、生涯のパートナーを探していきましょう!